執筆担当:
湯川 貴男(湯川クリニック院長)
今回は「運動」についてお話ししたいと思います。
その前に1つクイズです。
日本は長寿大国と言われています。それは「平均寿命」が長いから。
では、「平均寿命」と「健康寿命」の差はどれくらいでしょうか?(健康寿命:支援や介護を必要とせず、元気に過ごせる期間)
答えは・・・
男性は8年 女性は13年 です。
(平均寿命:厚生労働省「平成28年簡易生命票生命表」健康寿命:厚生労働省「第11回健康日本21推進専門委員会」資料(平成28年)より算出)
つまり、人生の最後の8~13年間は自力で歩けないなど、身体に不自由を感じながら時間を過ごす人が多くいるということです。
これが長寿大国、日本の現実です。
【ポイント】
① 平均寿命と健康寿命は異なる。
② 健康寿命を少しでも伸ばすことが大切。
では何が要介護への原因となっているのでしょう?
それを避けるすべはあるのでしょうか?
実は筋力不足が原因で、寝たきりになるというケースが多くあります。
25歳頃にピークに達し、40歳ころから減り始める筋肉。
そこから「要介護」「寝たきり」になるまでには段階があります。
1.最初の兆候「疲れるから動きたくない」
・動くことがおっくうに感じる
・以前よりも疲れやすくなった
・ひざや腰が痛い
・何もないところでつまづく
これらは筋肉が衰えてきているサインです。
ここで動けたらまだ筋肉の減少を食い止められて良いのですが、そのままにしているとどうなるでしょうか。
2.負のスパイラルへ突入
動くと疲れるので、なるべく動かないようになる。
↓
体温が下がる、基礎代謝が落ちる、老廃物が体に蓄積するなど、体の機能が落ちていく。
↓
さらに疲れやすくなり、ますます動かないようになる。余計に悪化する。
↓
繰り返し
↓
やがて…
歩ける量が減り、次第に歩行や立ち上がりが困難になる。
=ロコモティブシンドローム(要介護や寝たきりになるリスクが高い状態)
3.要介護や寝たきりへ
・歩行や立ち上がりが一人ではできなくなる。
・日常生活に助けがいるようになる
このスパイラルを 断ち切るものこそが、「筋力」なのです。
要支援・要介護になった要因のうち一番多いのは「運動器の障害」24.6%です。
認知症や脳卒中、高齢による衰弱よりも多いのです。
(厚生労働省「平成28年国民生活基礎調査」より)
このようなスパイラルに陥らないないために、筋力トレーニングはとても大切です。
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~健康コラム 目次~
順番に読んでも、お好きな箇所から読んでもOKです。
はじめに
1 ご挨拶
2 クリニックとお店の連携
私達の考えるナチュラルスタイル
3 ナチュラルスタイルって何?
4 風邪をひいた理由は?
5 自分のオーバーフロー地点を知る
6 原因となるものを見つける
7 体のセンサーがよみがえると
8 ピンピンコロリかネンネンコロリか
食生活
9 小麦アレルギーとどうつきあう?
10 リバウンドしないために・・・
11 1日30品目はもう古い
12 食生活をよくする10のポイント
13 主食を「主」に食べると体質が変わる
生活用品と住環境
14 皮膚から入るのは口から以上に怖い?
15 普段使っているものを点検してみよう
16 病院で最も見逃されている住環境
17 スマホの添い寝が頭痛・不眠の原因に?
運動
18 介護・寝たきりへのスパイラル
19 骨も筋肉も使わないと衰える
20 筋肉はとてつもなく沢山の役割がある
★2021年10月現在、連載は継続中です。